食べ物の好き嫌いと歯みがき嫌い

「こども成育インストラクター〈食専科〉」第3期生で、歯科衛生士として長年のキャリアを持つ宗田香織先生。今秋より、「こども成育インストラクター〈食専科〉」のアンバサダーとして活躍しています。

 

歯科の現場でも、お母さん方の「お子さんのお口に関するお悩み」がよく聞かれます。そうしたお悩みについて、歯科衛生士、そしてこども成育インストラクターの目線から有効なアドバイスを宗田先生がお伝えします!

 

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今回のテーマ:歯みがき

 

「仕上げ歯みがきさせてくれない」

「きちんと歯みがきしない」

お母さん達の困りごとの1つとして

良く話題になるのではないでしょうか?

 

それでは…

お母さんは歯みがき好きですか?

毎日楽しんで歯みがきしていますか?

 

忙しい子育ての中では、とかく自分の事は後回しになってしまうもの。

歯みがきの時間も惜しいところですよね。

 

でも、そうしたときにお母さんが発する

「歯みがきしなきゃ…」

「歯みがき面倒くさいなぁ」

といった一言で、お子さんはしっかり学習しているのです。

 

 

私たちこども成育インストラクターは、発達心理という観点から子どもの成長発達を観察しています。

 

子どもが日々様々な物事をどうやって学んでいくか…

 

大好きな人(たとえばお母さん)に注目をし、その人がしていることを見て、それをまね(模倣 )しながら学んでいきます。

 

このことを専門用語では、「三項関係」と言います。

 

そして、『好き』に繋がるポイントは、まね(模倣)される人=お母さんが、ポジティブであること!

 

こども達は、大好きな人の楽しそうに取り組んでいることは興味を持ち、やってみたいと意欲的に向き合い上達しようと工夫します。

 

大好きなお母さんが好きなことは、子どもも大好きになるのです。

 

お母さんが誉めてくれると嬉しくて、「毎日したい!」と思います。

 

虫歯の心配から歯みがきはついつい強制的になりがちですが、萌出したての乳歯は歯小嚢(ししょうのう)という膜に守られています。

 

1日2日磨けなかったからといってすぐに虫歯にはなりません。

 

また、唾液が沢山出ることでも汚れを流してくれます。

 

まずは、ママが「歯みがき気持ち良いなぁ」「さっぱりした~」と、お話しすることから始めてみてください。

 

お子さんが興味を持ったら、お子さんにも歯ブラシを持たせてあげましょう。

 

もちろん、自分では磨けないので遊びのひとつとして楽しむのが目的です。

 

喉突きなどを防ぐ為に、

・安全な歯ブラシを選択する

・ママが必ず見守る

という2点を大切にしてください。

 

そして、ママのお膝にゴロンと出来たら

「○○ちゃんの頬っぺ気持ちいいなぁ」

「歯みがきするとお口がさっぱりして気持ち良いね」

「○○ちゃんの歯、ピカピカで綺麗ね!」など、ポジティブな声かけを沢山してあげてください。

 

押さえつけずに、優しくさわってあげることで嬉しいスキンシップにもなりますね。

 

最後に、ハグして誉めてあげることも忘れないでくださいね。

 

ママの大好きは子どもの大好きに…

“三項関係”を通して

ママもお子さんもたくさんの『好き』を育んでいけると良いですね。