日本こども成育協会 理事 大塚千夏子より皆さまへ

このメールマガジン100号とほぼ時を同じくして

私たち一般社団法人日本こども成育協会はこの2月で満3歳となりました。

 

こどもで言えばようやく歩みがしっかりしてきて、

「あちこち、あれこれ試したい!チャレンジしたい!」という

意欲に満ちた年頃といったところでしょうか。

 

少し協会が生まれる前の話をしようと思います。

それは2009年11月のある日だったと記憶しています。

 

私たちが「発達心理学」と「保育環境」について

専門家の意見を聞きたいと考えていた時にご縁がつながり、

現在協会の理事である「チャイルドラボ所長・沢井佳子先生」に出会いました。

 

それは私たち協会の母体である(株)Patataを立ち上げたばかりの時でした。

保育環境のためのデザイン設計施工の会社として、

より良い保育環境を創造していくために「こどもの発達」を理解する必要が

あると考えたからです。

 

その時に私は

「保育の空間を考える時、年齢ごとに何に配慮が必要ですか?」

と質問をしました。

 

先生はすぐさま、優しくも断固とした口調で

 

「何歳だからこうしなくてはならない、なんてことに囚われてはいけません。」

 

と言われました。

 

それは衝撃を持って私の耳に響きました。

こどもの発達はその年齢になるからその年齢なりに進むという

「誤った」理解をしていたことに気が付いたのです。

 

それが、現在の一般社団法人日本こども成育協会が多くの人に伝えたい

メッセージの根幹となり、私たちを突き動かしています。

 

あらゆる方向からなだれ込んでくる多くの情報に溢れる現代社会において、

子育ての環境もその時々の情報に大きく揺れ、複雑に感じることがあります。

 

何が正解か、を求めれば求めるほど

「あれがいい」「これがいい」の森に迷い込みます。

 

私たちはより多くの養育者に「こどもの発達」について

論理的に理解する機会をつくり続けたいと考えています。

 

もちろん、子育てにおいて愛情や思いやりや優しさは

切っても切れない大切な片翼です。

 

もう一方の翼に「こどもの育ちを冷静に観察する目」を持つことで

「その子なりの育ち」を鳥瞰的に捉え、その子の日々の冒険を促す

働きかけを行うことができるのです。

 

「こどもの発達は、ある段階をとげた後に、次の発達の段階に入る…

という方向と順序が決まっている」

 

というシンプルな定理と、

 

「その順序は、生まれつきのプログラムが周りの人や周囲の環境からの刺激によって

少しずつ現れていく」

 

という明白な事実を「わかりやすく」養育者に届けることで、

子育てに前向きさをもって伴走することができる、と私たちは信じています。

 

「こども成育インストラクター<食専科>資格認定講座」は

これもご縁が重なり、各分野の第一人者による確かな知見に溢れています。

 

4月にはいよいよ8期を迎えます。

その知見を礎に子育ての質を向上させていく未来を一緒に目指す同志が

増えることを願っています。