「好き嫌い」は口の機能の発達の証

子どもの食に関するお母さんのお悩みで、もっとも多いのが「好き嫌い」です。


 


「野菜を食べない」「おいしく作ったはずなのに食べてくれない」


こうした好き嫌いの要因は様々ですが、子どもの「口の機能の発達」もその一つです。


 


特に乳歯がはえそろう時期に、「好き嫌い」が生じているのであれば、それはむしろ喜ばしい発達の証と捉えることができます。


乳歯がはえる前の哺乳の時期は、口には食べ物を流しこむだけの機能しかありません。


哺乳期の口は「お皿」のような状態なのです。


 


乳歯がはえそろうと、ようやく口の中に食べ物を留めることができるようになります。


歯が舌を囲い込むことで、口の中は「お皿」から「お椀」の状態へと変化していきます。


そして、舌の上で食べ物を転がしながら、歯や使って噛んだり、すりつぶし、ごっくんと飲み込むようになるのです。


 



 


口の中で舌が活発に動き出すと、甘味・酸味・苦味・塩味・旨味といった5つの味を感じ取る味覚が急速に発達していきます。


 


このように、口の機能が発達したことで食べられる物が増えてくるので、好き嫌いが生じたり、味覚の変化が起こってくるのです。


大人でも旅先などではじめて出会う食べ物は、口に含むことをためらったり、味覚に慣れないこともあります。


 


離乳期の好き嫌いに悩んでいる親御さんに対して、まずは口の機能発達が順調に進んでいることをお伝えしましょう。


 


そのうえで、いろいろな味の学習を積み重ねがら、次第に食べられるようになるのを見守ってあげるようアドバイスすることが効果的です。