非常に備える食育を考える〈1〉 〜備蓄グッズの進化〜

こんにちは。「こども成育講座〈食専科〉」ディレクターの隅弘子です。

 

9月は防災の日がある季節であり、地震以外にも天候に関する災害も発生しやすい時期です。

園においては、防災訓練など非常時に備えての対応など実施されることも多いことでしょう。

先日とある園長先生に見せてもらった帽子がとても興味深かったので、ご紹介いたします。

 

お散歩用の帽子だと思ったら!

 

園児用の帽子だと思って、手にとったらなんだか少し硬く感じました。

その正体は・・・

ヘルメット仕様でした。

頭を覆う素材はゴルフのキャディーさんがかぶる素材と同様で衝撃から守るようになっていました。

見た目はほとんど帽子なのに安全に配慮されているため、ヘルメットの代用として活用できる商品設計です。

毎日のお外遊び用として使用できそうですが、消耗も激しいため、

毎月の防災訓練の日にかぶるようにして慣れさせているそうです。

 

大人は安全に防災ヘルメットをかぶることは容易ですが、乳幼児は全員に

正しく装着させることにも配慮が必要です。

 

普段から被り慣れているものならとっさの時にも被らせやすく、移動しやすいのではないでしょうか。

また小規模ベースの園では収納スペースもとらないところもよく考えられていると感心しました。

日々災害におけるグッズも進化しているのですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

園での備蓄食品はいかがですか?

 

さて、本題ですが、園での災害時の備蓄品は万全でしょうか?

食糧以外にも乳幼児ならではの備蓄管理は大切です。

とくに食糧そして水は命を守る上ための必須品。

俗に3日分の備蓄をしましょうと言われますが、支援物資などが届くまでの間が3日と試算しているだけで

実際に支援物資が届いても乳幼児には使用しづらい内容の場合も考えられます。

 

さらに、食物アレルギーを持つ児の割合も他年齢に比べて高いことからアレルギー対応がされた食糧となると

さらに届くまでにも日数がかかり、健康状態の確保が難しくなることが予想されます。

 

今年の園での備蓄食品はいかがですか?

 

今年の「災害食大賞©2022」の最優秀賞に7年保存レトルト食品が選ばれたそうです。

受賞された企業のホームページを拝見しておりましたら

「アレルギー対応」食品セットというものがありました。

なんと食物アレルギー特定原材料28品目不使用という基準です。

 

乳幼児用ではありませんので、ここから少々調整する必要があるかもしれませんが、

細かい配慮が難しい有事にはありがたい商品設計です。

 

この写真をとった場所は、私が食事相談をおこなっている

某子育て支援施設内の備蓄として置かれておりました。

 

 

 

 

 

 

 

※写真はアレルギー表示が改訂される前に備蓄されていたものであるため、

まだ27品目というパッケージです。

 

予算の問題や自治体等によって防災体制やそのマニュアルがあると思いますが、

少しでも命を守るものを用意して、平時に戻るまでの対応として

いろいろな情報を探っていくことも大切だなと感じました。

 

皆様の保育所などにおいてはどんなものがありますか?

ぜひ情報共有の場として協会へご意見をお寄せいただくと嬉しいです。

 

次回は非常時に備えて、園での取り組めそうな食育についてお伝えする予定です。

 

写真に掲載した製品について

※ほっと安心帽

https://www.hotto-anshinbou.com

 

※CUBE-7YEARS Completed Version2 (食物アレルギー特定28品目不使用)

https://gigaplus.makeshop.jp/GDaC/_leaflet/leaflet_4514453703167.pdf

 

 

隅弘子 一般社団法人日本こども成育協会食専科ディレクター・管理栄養士

【略歴】
mamaful(子育てが楽しめる支援をいっぱいに)を屋号に乳幼児を育てる保護者支援を中心に活動している。

都内子育て支援施設内での食事相談・離乳食教室の開催をはじめとして各種講座の講演や企画を行う。

子育て支援サイトや保育士求人サイト内でのコラム記事協力を行う。

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