社会の一員である子どもたち-第8回「こども成育デザイン・ラボミーティング」レポート

こども成育デザインラボ通信

 

先週は、8回目となる「こども成育デザイン ラボミーティング」を開催しました。

 

今回は、保育園や習い事の教室で日ごろから子どもたちに接していらっしゃる方々が

ご参加くださいました。

 

保育園や習い事の場での子どもたちの様子は、ご家庭での姿とはまた異なる側面が見られ、

大変示唆に富んだ内容でした。

 

特に共通していると感じたのは、「社会の一員」として敬意を持って

子どもたちに相対している点です。

 

そして、相手を人として尊重することの大切さを体現されているようなお話が

とても多くありました。

 

たとえば、挨拶についてのお話。

 

ありがとう、こんにちは、いただきますなどといった「挨拶が大切」ということは、

早い段階から学ぶことですが、実際にできないお子さんもいらっしゃるそうです。

 

その点について沢井佳子先生も、挨拶の練習が「単なる唱和」になってしまっている

ことを指摘されていました。

 

挨拶には、相手への配慮であったり、感謝であったりの意図があります。

 

そうした意図を欠いた、単に言葉を発するだけになっているケースは、

実は大人でも多いのではないでしょうか。

 

形から入ることが、時に有効な場合もありますが、形式だけを覚えていたのでは、

人と実りある関係を築いていくことは難しくなります。

 

今回お話いただいた事例では、そういった挨拶の意図を丁寧に子どもたちに伝え、

大人が身をもって体現されているように感じました。

 

また、お話の中にあった「その子をありのまま受け入れる」という言葉も

とても印象に残りました。

 

先入観を持つことなく、そのお子さんをまるごと受け止めるというのは、

私たち日本こども成育協会があらゆるコンテンツで基盤としている、

「子どもを観察する」という点にも通じます。

 

しかしながら、たとえ観察していたとしても、その観察眼に「色」がついていてしまったら、

本来の観察の目的を果たすことはできません。

 

また、「色」のない観察眼を持つことの難しさもあります。

 

一般的に「色眼鏡」というと、マイナスな意味で使われることが多いですが、

子どもの健やかな成長や発達に対する「期待」や「願い」といった前向きな想いも、

観察する目に色をつけてしまうことがあるからです。

 

そうしたうえで、「ありのまま受け止める」というのは、

具体的にどのような行動に落とし込んでいけるでしょうか。

 

日々多くの子どもたちと実際に接している皆さんからのお知恵を借りながら、

今後もさらに深めていかねばと思いました。

 

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「こども成育デザインラボ・ラボミーティング」へのご参加は、「紹介制」となります。

 

ご関心のある方は、まずは日本こども成育協会 事務局へお問い合わせください。

 

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