生活の変化を楽しみながら、むし歯予防を考える<前編>

こんにちは、歯科衛生士・こども成育インストラクターの宗田香織です。

 

皆さんはどんな連休をお過ごしでしたか?

 

新学期や新生活が始まったと思ったらあっという間にゴールデンウイーク。

 

この数か月お子さんも大人も生活の変化に伴い慌ただしい毎日を

送っていることと思います。

 

そんな時期は食事時間が不規則になったり、いつもと違うタイミングになったり

することもあります。

 

その一方で、身近な人以外の人と食卓を囲んだり、未経験の食べ物に触れる

きっかけにもなりますね。

 

こどもの成長のひとつとして、非日常の食事を通して新しい食環境や食材に

触れることは貴重です。

 

ただし視点を変えると、外出や会食によって食事時間が不規則になったり

「ダラダラ食い」をしたり、熱中症対策のために清涼飲料水やジュースなどを

飲む機会も増えます。

 

糖分摂取の頻度が増えることで、むし歯の罹患や進行が

心配なタイミングでもあります。

 

子育てをされている保護者の皆様にとっては、お子さんの“むし歯予防”は

関心の高い事柄と思います。

 

私が勤務しているクリニックに通院されているお子さんも

以前に比べると「歯みがきが好き」というケースが増えている実感があります。

 

けれど、生活の変化や外出が多い時期は、歯みがきも後回しになってしまうことや

遊び疲れて寝てしまった…といったお話も聞きます。

 

もちろんいつも同じケアができることは理想ですが、

一年を通して毎日パーフェクトな歯みきをするのは、義務感が強くなってしまい

「歯みがき嫌い」に繋がってしまいます。

 

大人でもお仕事が忙しい時期や体調が悪いときは、歯みがきにかけられる時間や体力も

限られるのではないでしょうか。

 

そういった時の対策として患者さんにもお勧めしているのが

「ぶくぶくうがい」と「キシリトール製品(ガム・タブレット)」の活用です。

 

どちらも手軽に取り入れられるのでママやパパにも負担がなく、

安心して取り入れられるのではないかと思います。

 

 

まず一つ目の「ぶくぶくうがい」

 

普段は帰宅時や歯みがきの後にしていると思いますが、

歯みがきが十分できない外出中や飲食が続く日には…

 

・お手洗いに行ったタイミングや一息ついた時などに頻繁に行う

・お口全体に水が行き渡るように20秒ほど強めにぶくぶくうがいする

・口の中の半分くらい(少ないかな?と感じるくらい)の水の量にする

 

ようにして、お口をしっかりゆすぎます。

 

清涼飲料水やジュースを飲んだ後もぶくぶくうがいをして甘味を流したり、

激しい運動で大量の汗をかくとき以外は、むし歯予防を考慮して水やお茶での

水分摂取が良いですね。

 

 

そして二つ目の「キシリトール製品(ガム・タブレット)」

 

患者さんや相談会などでも『キシリトールって甘いのに、ホントにむし歯に

ならないんですか?』とよく質問が上がります。

 

皆さんも不思議に思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか?

 

キシリトールは白樺から摂れる自然の甘味料で、むし歯を作る菌が分解できない

糖分なので歯を溶かしてむし歯を作るための酸を作れないのです。

 

また、唾液をサラサラにして自浄作用(唾液の持つ洗浄力や歯を強くする力)を高める

効果もあります。

 

食事やおやつの回数が増えたり、歯みがきが不十分になりそうな予定の日に

飴やガムをキシリトール製品に置き換えるだけですので簡単に取り入れられますね。

 

歯みがきが十分出来なかったときに歯みがき後に摂取するのも良いです。

 

ただし、乳幼児の誤嚥や一度に大量に摂取すると、お腹が緩くなったりすることも

あるので必ず保護者の方が見守り安全な状況で数や量を調整する必要があります。

 

次回へ続く

 

宗田 香織

1996年 東京都歯科医師会附属歯科衛生士専門学校を卒業後一般歯科や審美・矯正歯科などにて勤務。

2000年 Dr岡本・Dr竹内よりスウェーデン歯周病学を学び、歯周治療・メンテナンス・

インプラント予防管理を中心に歯科クリニックに勤務。

2018年10月よりこども成育インストラクター〈食専科〉アンバサダーとしても活動中。

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