理事 講座総合監修 沢井 佳子(さわいよしこ)

 

 

静岡大学情報学部客員教授 発達心理学専攻
認知発達支援と視聴覚教育メディア設計を専門とする。
お茶の水女子大学大学院修了。フジテレビの幼児教育番組『ひらけ!ポンキッキ』制作の心理学スタッフを務めたほか、文教大学人間科学部講師などを経て現職。

ベネッセコーポレーションの幼児教育『こどもちゃれんじ』「考える力」プログラム監修、および、『Worldwide Kids English』監修。教育番組『しまじろうのわお!』(テレビ東京系列)等監修。フレーベル館の幼稚園・保育園向け教具『そだつひろば21』監修。NPO法人「日本メディアリテラシー教育推進機構」理事。人工知能学会「コモンセンス知識と情動研究所」幹事。「日本子ども学会」常任理事。

 

 

 

 

Q. 発達心理学というと子育て中のお母さんは知りたいことがたくさんあります。中でも「うちの子、発達が遅いんじゃないか?」という不安をどう払しょくするか、何を基準にすればいいか、という悩みは、なかなか情報が見つからなくて困っている人も多いように思います。

 

沢井:不安だからといって、「うちの子はいま3歳だから3歳の発達の本を読もう」となると、そこからズレていた場合に余計不安胃なるでしょうから、おすすめしません。それよりも「何かができるようになっていく順番」を一通り把握するのが良いと思います。

 

「お隣の子は同じ月齢でぺらぺら喋っているのに、うちの子はまだ言葉が出なくて……」と悩んでいたとしても、大人の問いかけに対してうなずいたり、指差しで物を示そうとしていたりすれば、言葉を発するのは時間の問題ですから心配いりません。私たち大人だって言葉の通じない外国へ旅行したときには、「これください」と指差しますし、それで通じますよね。言葉の前の認知とコミュニケーションとして、指差しは理にかなっているんです。

 

このように、だいたい1、2歳から10歳くらいまでの間にできるようになることの「順番」さえ理解していれば、「何歳だから何ができる」という育児情報に惑わされることは少なくなるでしょう。男女差だって相当ありますし、子どもの発達には時間的なズレは必ずあると思っていてほしいですね。

 

富士山は、てっぺんにいくほど狭くなりますが、裾野は実に広大であるように、子どもの発達も、年齢が幼いほど、幅が広いものなのです。「まだ2合目に到達していない!」って思っても、1合半までは進んでいるかもしれないですし、低い裾野ほど、膨大な量の発達を、幅広く、みっちりと、なしとげているんです。表面の山肌だけを見て、一喜一憂しないことですね。

 

ですから、2歳の発達、3歳の発達、という形で輪切りにするのではなくて、10歳くらいまでの発達全体を、長い目でご覧になればいいんじゃないかしらと思いますよ。

 

ワーキングママを応援するサイト laxic(ラシク)サイト 〈文・インタビュー:真貝 友香さん〉 より

※laxic様のご快諾を得て、記事を一部転載させていただきました。

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