冷静に子どもと接するスキルが得られるように-「CHILDSCOPE みてた?」開発秘話4

子どもの成長や発達を動画で記録し、記録した動画を『観察』するWEBアプリ

「CHILDSCOPE みてた?」の開発ストーリー、最終回は日本こども成育協会代表理事

であり、今回「CHILDSCOPE みてた?」の開発を手がけた株式会社Patata(以下Patata)

代表者 羽富孝のストーリ―をご紹介します。

 

第1回:専門家でも気づかない些細な子どもの発達の変化に気づけるように -「CHILDSCOPE みてた?」開発秘話1

第2回:何気ない日常を記録に残すことの大切さ -「CHILDSCOPE みてた?」開発秘話2

第3回:楽しい観察が子どもの発達を促すことにつながる-「CHILDSCOPE みてた?」開発秘話3

 

Patataは、よりよい子育て環境を提供したいという想いを基盤とし、

これまで保育園のデザイン、設計施工事業を中心に成長してきた企業です。

 

また、子どもの認知発達の専門家である沢井佳子先生を顧問に迎え、

沢井先生の長年の蓄積による膨大な量のローデータを基盤とした

「こども発達スケール(R)」の開発も手がけました。

 

この「こども発達スケール(R)」は、0歳から12歳までの発達の段階で現れる

子どもの行動、状態、コミュニケーションの目安を示した指標です。

 

そして「こども発達スケール(R)」は、日本こども成育協会の『こども成育〈食専科〉講座』や

「オヤトコ診断」をはじめ、さまざまなコンテンツ開発の土台、いわば日本こども成育協会の

「秘伝のタレ」とも言える財産となっています。

 

今回リリースした「CHILDSCOPE みてた?」は、Patataが満を持して手がけたソフトコンテンツです。

その開発にかけた羽富孝のストーリーをご紹介します。

 

「CHILDSCOPE みてた?」の開発にいたった背景とはどのようなものだったのでしょうか。

 

羽富:日本の教育は、「人」にフォーカスしているのではなく、「知識を持っているか否か」に

焦点が当てられることがまだまだ多いと感じています。

 

たとえば、小学生や中学生の時期は人格形成上、とても大切な時期ですが、

テストの点数や運動能力だけで評価されてしまうことが多いように感じています。

 

勉強や運動に長けていないと、なかなか日の目をみることがなく、

それが日本の若者の自己肯定感の低さにもつながっているのではないでしょうか。

 

そして、問題は子どもの側にあるのではなく、評価する大人たちにあると考えました。

それぞれの子どもが持つ、独自の個性やよいところを見つける。

そのような子どもを観察する訓練を養育者である大人たちは受けることがありません。

 

他人と比較しての評価ではなく、その子自身の成長・発達のプロセスのなかで、

できたこと、できないことを細かく観察するという発想が欠けているのではないか、

という想いが、「CHILDSCOPE みてた?」の開発の原動力となりました。

 

「CHILDSCOPE みてた?」を通じて得られる「観察力」の利点をどのようにとらえていますか?

 

羽富:「観察力」を得ることで、養育者が子どもに対して感情的にも冷静になれる点は

大きい利点の一つだと考えています。

 

たとえば、子育てをしていると、子どもが自分の思い通りの行動をせずにイライラしたり、

怒りなどの負の感情がこみあげてしまうのは自然なことです。

 

その負の感情を子どもにぶつけてしまうわけですが、「観察」というステップを一つ挟むことで

感情を変化させることができるようになります。

 

「なぜこの子はこのような行動をしているのだろう」といったん冷静になって観察してみる。

また、子どもの言い分にも耳を傾けてみる。

客観的に状況を把握し、何が起こっているのかを考えてみる。

 

観察することで、こうした「思考する習慣」も身についていきます。

感情だけに任せた対応をしなくなるのは、子どもにとっても、そして養育者自身にとっても

精神衛生上、とてもメリットがあると思います。

 

また、子育てに真摯に取り組んでいる方ほど、「自分のやり方は正しいのか」

「わが子は大丈夫なのか」と心配されがちです。

 

こんな情景を思い浮かべてみてください。

子どもが懸命に積み木を高く積み上げています。

バランスが崩れそうになると、思わず手を貸してしまいたくなりますね。

 

そこで、手を出さないで見守れる勇気。

バランスが悪くて崩れたのであれば、次はどうしたら崩れないのか、

子ども自身が考えられるように待つことができる余裕です。

 

何度も崩れてはまた積み上げることを繰り返しながら、最終的に高く積み上げられたときに、

子どもが大きな達成感を得られます。

 

また、途中でイヤになってしまうお子さんもいるでしょう。

その場合は、寄り添いながら一緒に積み上げて成功体験を見せるという方法もよいと思います。

 

大切なのは、手をすぐに出すのではなく、観察を通じて冷静に子どもを見守れることであり、

子ども自身が生まれ持っている能力に気づくことで、「わが子は大丈夫だ」という養育者の安心を育むことです。

 

「CHILDSCOPE みてた?」は、こうした子どもも養育者も安心して育つことのできる

場づくりに大きく貢献できると確信しています。

 

3歳版を先行してリリースしましたが、今後2歳、4歳、5歳…と開発を進めていく予定です。

実際に使っていただいた皆さまからのコメントを反映しながら、将来的には子育てに欠かせない

ツールの一つになるべく育てていきたいと思います。

 

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株式会社Patata 代表者/日本こども成育協会代表理事

羽富孝

 

 

 

 

 

■ 株式会社Patata 

http://www.patata.bz/

 

■「CHILDSCOPEみてた?」概要

https://childscope.jp/

 

■ニュースリリース

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000106644.html